仲介人制度
2021.3.11 Thu
2021年2月18日(木)に第2回目の講座を開催しました。
講師は、弊クラブ・服部健二ゼネラルマネージャー(以後服部GM)が務めました。この講座では、選手のビジネスパートナーとも言える「仲介人/代理人」について服部GMが講義を実施しました。服部GMは、第1回目の講座に引き続き、選手たちに「何事も自分で考えて行動する事の重要性」を伝えており、選手達もそれをしっかりと感じとっている印象でした。
『仲介人と契約することを否定している訳ではない。自らの成長につながる仲介人を見つけることが重要。しかし、前提として自分の契約は自分で守る。自分で考える力を養い、仲介人任せにしない事が大事。』服部GMからの最初のキーセンテンスでした。選手の中には、既に仲介人と契約している人もおり、服部GMはどうしてその人と契約したのか?を契約している選手に一人ずつ質問をしました。そして自身の選手としての目標と照らし合せた時に、どんな仲介人が自分と良いパートナーになるのか?これから説明する、仲介人/代理人の仕事の内容と、各代理人会社の強みを聞いた上で、改めて自身で考える事を促しました。
仲介人とは「有償又は無償の如何に関わらず、クラブとの選手契約の締結を目的として、選手若しくはクラブのために交渉する又は、移籍合意を目的としてクラブのために交渉する自然人であり、第3条に基づき本協会に仲介人として登録された者を言う」(*1)と定義されており、その業務は多岐に渡ります。仲介人の業務は大きく「エージェント業務」と「マネジメント業務」の2つに分ける事ができます。それぞれの業務を具体的に挙げると、
「エージェント業務」は、大きく以下の4つである。
① 競技関連の業務
② 選手に付加価値をつける業務
③ 競技力向上のサポート業務
④ ライフプランサポート業務
続いて、「マネジメント業務」とは主に、
⑤ 適切なメディア露出・広告出演・イベント出演・出版・肖像管理などを遂行。
服部GMはこれらの具体的な仲介人の業務だけでなく、実際に選手と契約するまでのフロー、禁忌行為、契約年数、金額など細い部分にまで渡り、教えていただきました。選手達は、今まで把握していなかった部分もあり、分からない部分は質問したりと、積極的な姿勢も見られ、よい雰囲気で終始講座が行われました。
最後に『まずは、自分自身の事なので、自分で考える事が前提。自分の目的に即しているかをしっかりと評価し、仲介人とどう付き合えば、自分の目的を達成できるかを考えて欲しい。他人任せにせず、自身で考えて何事も行動して欲しい。そして、自分の目的が達成するために力になってくれる仲介人とともに成長していくことを望んでいる。』と選手達にメッセージを送り、講座を締めくくりました。
参照
(*1)【JFA/仲介人の登録に関する運用基準】より
服部健二プロフィール
■生年月日:1973年11月15日生(46歳)
■出 身 地:愛知県
■学歴:
1992年3月 愛知県立刈谷北高等学校 卒業
1997年3月 東京学芸大学 教育学部 卒業
2015年3月 早稲田大学 大学院 修士課程 修了(トップスポーツマネジメント 平田竹男研究室)
■主な職歴:
1998年 東京ガスサッカー部で主務を務める。その後同チームでトップチームマネージャー兼通訳、強化部、チーム管理マネージャー、コミュニティーアフェアーズを務める。
2009年から2013年までジュビロ磐田で強化部、ゼネラルマネージャーを務める。
2014年から2016年までヴィッセル神戸に在籍し、チーム統括本部として戦力担当、スカウト部部長、強化本部として強化部部長兼スカウト部部長などを務める。
2017年は、V・ファーレン長崎で強化育成部部長、強化アドバイザーを務め、この年クラブはJ2リーグ2位になりJ1昇格を達成。
2018年から横浜FCのゼネラルマネージャーとして就任(J2リーグ3位)
2019年J2リーグ2位で13季ぶりのJ1昇格へとクラブを導いた。
■その他
1997年4月 ブラジル留学(社団法人日本ブラジル交流協会より派遣)
2001年6月 2001FIFAコンフェデレーションズカップ ブラジル代表リエゾンオフィサー
2002年6月 2002FIFAワールドカップ ブラジル代表リエゾンオフィサー
2019年4月 阪南大学 流通学部 専任講師
■資格:
1997年 幼稚園教諭2種、小学校教諭1種、中学校教諭(保健体育)1種、高校教諭(保健体育)1種
2004年 JFA Sports Managers College【Grade3】
2015年 修士(スポーツ科学・早稲田大学)
◼️選手感想
松尾佑介選手
今回の講義を受けて去年同じ様な講義は受けていたのである程度の知識はあり新しく制度が変わったことは知っていたがその細かな点を把握することができた。今回新しく制度が変わったがまた制度は変わっていくと思います。そうした情報も変わるたびにアップデートしていかないといけないのでそういった情報を逃さない様にしないといけないし完璧に把握せずとも理解しておかないといけないと感じました。また代理人がどんな仕事をしているかも把握しておかなければいけないとも感じます。自分が目指しているとこから外れていると感じたら代理人を変える必要性もあるかもしれないし年齢などにも左右されると思うので自分の考えは持つ様にしたいです。代理人と上手く仕事をしていくことはキャリアを成功させる上では必須だと感じるので大事にしていきたいと思います。
古宿理久選手
僕自身、仲介人は付けていませんが、知っておかないといけないルールや、情報、規則などがあり関心を持ちました。
仲介人は移籍や、年俸交渉などに多く仕事をしているイメージがあったのですが、そうではなく、コンディションサポートや、私生活のサポート、メーカーの契約など、幅広い選手へのサポートがあるなと感じました。
海外の選手となると、少しお金の部分だったり、交渉の部分などで手間がかかると思い大変だなと思いました。
仲介人になれるのは、資格を持った人の他に、家族、兄弟、奥さんなど、身近な人でもなれること、弁護士もなれることを知り、考える幅が広がったように感じます。
これからの選手生活において、自分で考えることもそうですし、客観的に代理人の人に見てもらえること。
今後の人生において、セカンドキャリアなどの幅が広があるので、今度代理人をつける上で、しっかり自分に合った人、真剣にサポートしてくれる人を選び契約人選びをしていきたいと思います。